05169-180620 都立豊多摩高校で授業2コマ「サッカーのルールで法律がわかる」
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都立豊多摩高校にて2コマ、授業を実施しました。
小雨模様の中、初めて訪れた豊多摩高校。緑豊かなキャンパスです。
23大学から23分野の教員が参加。成蹊大学を含む10大学は2コマ、それ以外の13大学は1コマ、それぞれ模擬授業を実施。
shio.iconはいつものようにiPad Proで板書しながら、各50分の授業いたしました。
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1コマ目(19名)13:20〜14:10
最初に「法律に対するイメージ」を自由に語ってもらう。生徒たちは比較的活発に発言。
ほぼすべての生徒がiPhoneまたはAndroid端末を持参していたため、あらかじめ用意しておいたQRコードで授業サイトにアクセスしてもらった後、総務省のeLawsで民法を検索してもらう。
生徒たちは「スマホ出してもいいんですか?」というので、「その高性能コンピュータを授業中に使わなくていつ使うんですか?」と応じたら「ヤッタァ!!」と言って思い思いにカバンから出し、QRコードを読み取って、検索し、条文を開いた。「ここに「民法」と入力してから検索をタップして」、「では555条までスクロールしてごらん」、「戻って目次を見てみよう」などと指示をすると、生徒たちは、授業に興味なさそうにしていた者も含めて前のめりになって操作。やはり大学生と同様、授業中にIT機器を使うと生徒たちの集中力が上がることを実感。
各自スマホで民法の条文を開いたら、全員で声に出して音読。555条に書かれている契約をしたことあると思うかどうか、あるとしたらどういう契約か、思い当たる経験を色々と発言してもらう。
そのあと目次を見て、民法に規定されている13の典型契約を把握し、ひとつひとつ具体例を考えてもらう。そのほとんどを生徒たちが実際に自分で行ったことがあることを実感し、縁がないと思っていた民法が極めて身近かつ自分が日々行なっていることを規定していると実感。
サッカーのルールに話を移し「ルールはなぜ存在するのか」を考えてもらう。ルールの重要な要素が生徒たちから自発的に次々と発言されて素晴らしい。ルールの本質に迫ることができた。
民法も実はサッカーのルールと同じ、ということを具体的な例を用いて伝えると、生徒たちに深い納得感が醸成された。
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2コマ目(37名)14:30〜15:20
基本的に1コマ目と同内容。人数が多く、4名ほどの男子生徒が冒頭から車座になって(前を向かずに)無関係な会話を続けていた。授業を開始して生徒たちに「法律に対するイメージ」を問うても発言がなかなか出ないので、その喋っている生徒4人に「あなた方が最もたくさん発言してて素晴らしい。他のみんなも彼らを見習ってどんどん喋ろう」と何度か(言い方を変えながら)褒めたところ、その4名が15分くらいで非常に協力的になり、そのあと最後まで、僕の問いに最も積極的に答え続けた。彼らのおかげで授業がどんどん展開。
おそらくその生徒たちは普段、「うるさい、黙れ」って言われているのではないかと推測する。褒めると人は劇的に変わる好例。
その生徒たちを僕が褒めている時の他の生徒たちは冷めた目で「なんであいつらが褒められるんだよ。喋ってるのに」という反応だった。喋らない生徒より喋る生徒が素晴らしい、と繰り返し褒めることで、「沈黙は金」から「沈黙は禁」へと価値観を転換した。
それ以外はほぼ1コマ目と同様の展開。生徒が挙げた具体例がマクドナルドのハンバーガだったので面白い展開に。「ルールはなぜ存在するのか」の問いに対して出された答えが、1コマ目とほぼ共通だったことには驚いた。
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